FIP補償について

Cattery夢猫庵はFIP(猫伝染性腹膜炎)に関する補償を新設します。(2020年3月より)

Cattery夢猫庵出身の猫のみを飼育している場合に限り、引き渡し日より180日以内にFIPで死亡、または確定診断された場合は、同程度の代猫を無償で提供いたします。

(または、買主さんの希望により代猫不要の場合、お見舞金として生体補償価格の半額を返金します。)

FIPの疑いでは補償できません。
遺伝子検査や病理組織検査による確定診断書を提出してください。

※Cattery夢猫庵出身以外の同居猫との多頭飼育の場合は免責とします。
(FIP補償はできません。)

多頭飼育の場合は補償できない理由は以下の通りです。

FIP(猫伝染性腹膜炎)は、FIPウイルスが原因で、腹膜炎や腸炎を起こし、一度発病すると死亡率が高い病気です。猫腸コロナウイルス(FECV)が、猫の体内で突然変異してFIPウイルス(FIPV)になります。

この2つのウイルス、FECVとFIPVを両方合わせてコロナウイルス(FCoV)と呼ぶことがあります。FCoV抗体値検査ではFECVとFIPVの見分けがつきません。

抗体値検査で抗体値が高くてもFIP確定ではありません。
また抗体値が低くてもFIPを発症することがあります。

猫腸コロナウイルス(FECV)の感染イコールFIP発症ではありません。

FECVが、FIPVになる突然変異の原因は不明です。

FCoV陽性猫のうち FIPを発症するのはわずか数%です。(12%の説あり。)

FECVにはいくつかの株があり、どの株がFIPVに変異するのか、なぜ変異するのかは未だ正確には解明されていません。

単頭飼育でもFIPが発症する場合がありますが、多頭飼育の方が単頭飼育に比べ発症率が高いため、現在はストレス(特に多頭飼育によるストレス)と環境による免疫力の低下が主な原因と考えられています。

一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラムには、「FCoVにもたくさんの種類があり、異なるFCoVに感染すると(FIPを)発病しやすくなります。」と記載されています。

FIPは誤診されやすく、確定診断が難しい病気です。

遺伝子検査により、猫の胸水・腹水・血液に猫腸コロナウイルスが検出された場合、または腹腔内腫瘍などがある場合に病理組織検査で肉芽腫性炎症などがみられた場合にFIPが確定されます。

猫腸コロナウイルス(FECV)について

FECVそのものは病原性に乏しいウイルスで、世界のほとんどの地域に存在し、猫の糞便中に排泄され、経口、経鼻で感染します。

(唯一、Falkland (Malvinas) IslandsにはFECVが存在しないそうです。)

FECVは感染しても無症状の場合が多く、(引っ越しなどのストレスによる)免疫力の低下により、腸炎を起こし下痢をすることがありますが、ほとんどが軽症で終わります。

ワクチンがなく、猫の体内から排除する薬もないため、完全な排除ができず、腸管に持続感染します。

FECVは感染後に取得する抗体が弱いため、いったん排除できても簡単に再感染します。

FECVは人間の体や衣服のごみ、ほこりを通して、あちこちに運ばれ簡単に広がります。

猫腸コロナウイルス(FECV)の感染率

・UC DAVIS獣医学部コンパニオンアニマルヘルスセンター
feline coronavirus (FECV) which infects 40-80% of cats worldwide

・一般社団法人日本臨床獣医学フォーラム
猫が集団で生活している場所には、必ずといってよいほど腸コロナウイルスは蔓延しています。

・IDEXX Laboratories
日本の飼い猫の約半数は、コロナウイルスに対する抗体を持っています。

・品種別にみたわが国の家猫における抗猫コロナウイルス抗体の保有状況
純血種の陽性率(76.3%)、雑種(50.1%)

・公益社団法人日本獣医学会
どんな健康な猫でもコロナウイルス(FCoV)に感染していると考えられています。

このように獣医さんによってFECVの感染率は見解がまちまちですが、FECVはキャッテリー、ペットショップの純血種だけでなく、シェルターの保護猫や野良猫にもすでに広く感染しています。

野生種のツシマヤマネコ、ベンガルヤマネコにも感染例があります。
対馬野生生物保護センターによるとツシマヤマネコのFECV感染率は12%です。

多頭飼育の場合は補償できない理由

①FECVは感染しやすく、排除が難しいウイルスであること。

②多頭飼育の環境ではCattery夢猫庵で感染していた株が突然変異を起こしたのか、同居猫から感染した株が突然変異を起こしたのかが科学的・獣医学的に判別できないこと。

③現在では多頭飼育によるストレスが突然変異の原因の一つであると考えられていること。

これらの理由から、当Cattery出身以外の同居猫との多頭飼育の場合はFIP補償を免責とします。

※また、環境による免疫力の低下の影響を受けることから、補償期間を引き渡し日から180日以内とします。

お引き渡し日から30日以内のFIPによる死亡(または確定診断)の場合は、お引き渡し前にすでにFIPを発症していた可能性がありますので、当Cattery出身以外の同居猫との多頭飼育であっても、当Catteryに起因する疾患による死亡と考え、生体補償価格を全額返金いたします。

この新設するFIP(猫伝染性腹膜炎)に関する補償は、2015年1月のCattery夢猫庵開業時点まで遡及します。Cattery夢猫庵から仔猫をお迎えくださったオーナーさまで、以下の3つを全て満たす方は必要書類を添えてお申し出ください。

①お引き渡しから180日以内にFIP(猫伝染性腹膜炎)の確定診断を受け、遺伝子検査または病理組織検査の結果を書面で提出できる。

②Cattery夢猫庵出身の猫のみを飼育している。

③これまでに一度も生体保障の返金を受けていない。

参照

ページトップへ
ご家族様募集中のラパーマ仔猫